刃物製造後継者育成のイノベーション事業 / WORK SHOP

・問題点、課題

弊社が取り組んできた「播州刃物」の後継者育成には多くの問題があります。これまでも後継者育成の取り組みをしていく中で職人希望の方が国内外から多く来られましたが、1名の後継者しか受け入れられませんでした。その1名を受け入れるために多くの時間と労力が必要でした。後継者問題は需要とは関係のないところで様々な課題があります。中でも急速な社会の変化による弟子を育てるという概念そのものが雇用形態の制度からすると、とても問題があるのです。さらに我々が後継者を育成したいと思う職人になるためには5年から10年の修行が必要で、時間がかかります。しかし、現役の職人はすでに平均年齢が70代後半と超高齢化しており、その年齢からその責任を背負えるはずかないのです。

・デザインしたこと

後継者問題はとても深刻な問題ですが、1つだけ希望があります。それは現役の職人が雇えないけど教えたいという想いがあることでした。自分のやってきたことを未来へ受け継ぎたいという心はあるけど、いつ辞めてもおかしくない年齢から、弟子を取るという責任が負えないというのが見えていない事実でした。そこで我々は発想の転換をしました。新しい工場を作って、そこを修行と成長の場にし、わからないことを現役職人に負担をかけずにアドバイスいただくというものでした。さらに、その後継者育成を周りの人に助けてもらいながらも、熟練職人になる前から利益を生み出し、継続する仕組みをデザインしました。

・変化したこと(結果)

 2018年5月にクラウドファンディングで200万円を超える資金を集めると同時に、この活動を多くの方に知っていただきスタートを切りました。工場は自分たちの手で作り上げ、低コストで実現しました。また同年8月に「WORK SHOP」がオープニンし、その情報を拡散しました。オープニングの様子をテレビ取材受けるなど、各方面のメディアにも取り上げられスタートを切りました。その後、後継者育成の工房には2名の職人志望者が来ています。様々なことをトライしながら継続性の開発と熟練職人になるための修行を両立しています。次世代の職人がここから生まれる仕組みをみんなで作ろうとしています。まだまだ職人育成は続きます。
 
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